長期海外移住したい?海外に7年間住んでみてわかった5つの問題点
どうもこんにちは、オーストラリアに7年間住んでいたシンジです。
海外移住したい方ってどれくらいいるんでしょうね。
海外といっても、アジア、オセアニア、ヨーロッパ、アメリカ、南米、アフリカといろいろと選択肢はあります。
ぼくが海外に興味のある人と話したところ、みんなあこがれとして海外移住を検討している人が多いと感じました。
気楽に何の気兼ねもなく、おいしいものをたべて旅行をしているかのように暮らすことはたしかに楽しいのです。
ただ海外生活はバラ色ではありません。
長期での海外生活にはいくつかの問題点がありますので、ここに挙げてみようと思います。
<目次>
- 1.帰るタイミングがむずかしい
- 2.親の面倒をどう見るか
- 3.自分の子どもを親に会わせられない
- 4.夫婦のどちらかが死んだときに、残りの人生を海外で生きていけるか問題
- 5.死ぬまで外国人として生きていくことの無力感
- 夢を見ることも大事。現実的に考えることも大事。両方のバランスをみる。
- 満足するまで海外生活することができたということで、次の新たな一歩を進む
- 最後に海外生活のメリットも挙げてみる
1.帰るタイミングがむずかしい
海外に移住をするということは、生活を根本的に変えることになります。
日本から海外にお気に入りの家具を持っていこうとすると、とんでもない金額がかかるため、基本的にはできません。
すると、ほとんどすべてを処分して、海外生活を始めることになります。
海外のあたらしい場所では、新たにすべての家具や生活道具が必要となりますので、お金をかけてそろえる必要があります。
お金があり、日本にも拠点をのこし、海外と半年ずつ住むといったことができればいいのですが、基本的にはどちらかになると思います。
いったん海外に住むと、日本に帰らないといけないとしても、家も家具もまたイチから始めないといけないと考えると、帰ることだけでもとても難しくなります。
そうしているうちにタイミングを逃してしまうのです。
2.親の面倒をどう見るか
オーストラリアにいた時に永住権をとる話が出たときに、家族で何度も話し合ったのは、親の面倒をどう見るかということでした。
この問題に悩んでいる海外移住者はおどろくほど多いです。
とくに日本人夫婦であればなおさらなのです。
まあ当たり前ですよね。
母国は二人とも日本なので、外国に外国人として住んでいるんですから。
親がいつ病気になるか分かりませんし、いつどのようなタイミングで介護が必要になるか分かりませんから、そういったことも考えないといけなくなります。
3.自分の子どもを親に会わせられない
これは子どもが産まれてから感じたのですが、両親は子どもに会いたいのに会わせてあげられません。
いたってふつうな経済環境の僕たちは日本に帰るとしても年一回それなりの費用をかけて帰ることになります。
最初は「FacetimeやSkypeがあるから大丈夫でしょ」と軽く考えていたのですが、やはりじいちゃんばあちゃんに会わせるというのは大事なことだと思います。
海外旅行に行きたくても日本中心になってしまう
これも行って気づいたことですが、お金をかけていく旅行といえば日本への帰国旅行となります。
通常2週間から3週間の期間になるので、すべて含めると40~50万円ほどは必要でした。
そうするとほかの国に行きたくても、毎年の日本帰国費用の関係で行きづらくなるのです。
これは想定外でした。
4.夫婦のどちらかが死んだときに、残りの人生を海外で生きていけるか問題
若い時に一人で海外に行くことはいいですし、得ることばかりで特に失うものもないです。
家族で長期海外生活となると今後の人生のプランをしっかり考える必要が出てきます。
その時に一人になった時にどうするかということも考えないといけなくなります。
老後に相方を亡くし、海外に取り残されるというのはなかなか寂しいことです。
地域の日本人コミュニティもありますが、規模は小さいし、入れ替わりも激しいので、つながりも深くなりにくいのです。
中国人やイタリア人は移住者の規模が大きいので、その国の人だけの老人ホームのようなものがあるのですが、日本人だけのものはありません。
調べていませんが、香港などには日本人の大きなコミュニティなどありそうですね。
人間年を取ってボケてくると、母国語しか話せなくなる
この問題は海外で生きていくうえで結構大変です。
人間年を取ってボケてくると、母国語しか話せなくなるそうです。
病院にはいるともちろん通訳はいません。
通訳サービスはありますが、毎回お願いするようなものではないです。
緊急のときはどうするか、症状を伝えたいときはどうするか、大きな問題ですね。
5.死ぬまで外国人として生きていくことの無力感
海外生活はとても気楽さを感じる反面、自分は一生借り暮らしになるなあと漠然と思っていました。
一生お客様気分で生きるというのは、どこか地に足がついてない気がするものです。
自分はその国の国民ではないと感じることは、お客様感というか疎外感を感じるものです。
国際結婚はそれ自体大きな問題をはらんでいるのですが、現地での大きなつながりがあるので、その点では海外生活はまだやりやすいでしょう。
夢を見ることも大事。現実的に考えることも大事。両方のバランスをみる。
海外生活は、そういった問題を乗り越えるほどやりたいことがあっておこなうものだという見方もあります。
当初は勢いがあるし、楽しいし、永住したいと思うのは本当です。
とくに海外が好きだと居心地が良すぎて、だらだらと過ごすことにもなってしまいます。
ただ冷静に考えて、日本人夫婦が外国にすむ問題点をしっかり認識していないと、5年後10年後に取り返しのつかないことになってしまう可能性はあります。
もし40代50代に入ってしまったら、その時に日本に戻ろうと思っても、帰国に伴う負担は家や仕事や家族のことを考えると、かなり大きなものになってしまうのだと思います。
まあもちろん駐在であればオーケーですが、ここでは個人的に海外に行きたい人向けに書いています。
夢を見るだけじゃなく、現実的に考えて海外移住を検討しましょう。
満足するまで海外生活することができたということで、次の新たな一歩を進む
僕たち幸か不幸かビザを更新することができず帰国しましたが、じつは夫婦二人とも、これで良かったのではないかと今は考えています。
それは永住権を取ったとしても、上記の問題点を考えていましたのでいずれ帰ってしまっていただろうということです。
海外生活は人生の中で本当にいい経験でした。
こんなにエキサイティングでたくさんのことを学び楽しんだ期間はとても貴重なことでした。
またその生活を7年間続けたからこそ、海外生活にはもう満足してしまいました。
毎年どこかの国に1か月ほど住む
これからは新たな夢があります。
それは、毎年気になる世界の都市に、1か月ほど住む生活をするということです。
やはり旅行するだけでは見えないことは多いです。
現地で生活してみることで、はじめて見えることや感じることは、本当に大きく楽しいです。
海外には行きたいですが、人生にはいろいろなことのバランスが必要です。
長期海外生活をしたあとは、これこそが現実的で最高の海外生活のカタチだと思います。
最後に海外生活のメリットも挙げてみる
いろいろと暗い話をしましたが、海外で生活することはメリットもいくつもあるのですよ。
そうなんです。
ぼくらは海外が好きだから海外移住したいんですよ!
- 大好きな異文化の中で生きることを体感、建物、人などすべてがおもしろい
- 現地の生活を見て、体験することもできる
- 日本にはない大自然と気持ちよい気候多様な食べ物と食材がたのしい
- 生きた英語力が身につく
- 日本にいるだけじゃ分からない多様な価値観が身につく
あくまで一例ですが、こういったことが楽しいんですよね~。
みなさんも、自分の興味と人生のバランスをとって、改めて海外移住について考えてみると新たな方向性が出てくるかもしれませんよ。
それではまた。